コラム

「モノ別」捨てられないモノの手離し方 ③写真やアルバム編

「モノ別」捨てられないモノの手離し方 ③写真やアルバム編

終活のお片付け講座などで「捨てられないモノ」の話をよくお聞きします。

今回は第三弾で、写真やアルバムについてです。

「モノ別」捨てられないモノの手離し方〜①着物編はこちらから

「モノ別」捨てられないモノの手離し方〜②布団や座布団編はこちらから

アルバムや写真も、なかなか捨てられない代表格ではないでしょうか?
60歳代以上の方のお宅にはアナログの写真が大量に保管してあります。

毎年撮った写真、子供の成長の記録の写真、家族旅行の写真、仕事の写真、会合の写真、趣味の写真、景色の写真からテレビ画面を写真に収めたものなど、その量は20冊〜60冊にもなり、多いお宅では100冊以上ある事もあります。

晩年になってからの写真はアルバムに納める作業を行っておらず、写真の束が何束もあり、全部で3,000枚以上の写真があったお宅もあります。それには、自分で撮影した写真だけでなく、老人会などの旅行の写真では、同行した皆さんが写真を撮り、それを焼き増しして送り合うのが恒例のようで、同じ旅行の写真でも3セット、5セットと出て来るのです。宴会の写真、食事風景、集合写真…と、皆さん写真が大好きなんですね。

最近ではデジタル化され保管しているので、量がかさばる事はありません。
ですが大量にありすぎて、大事な写真が見つからなかったり、無限に保管したりすると管理把握できなくなってしまいます。データが消えてしまったり、保管しきれなくなるとしたら、それはそれで考えようかも知れません。

さて、この写真をどうするのか?皆さん悩まれる方が多くいらっしゃいます。
親の持っていたアルバムを見ても、
「知らない人ばかり写っていて、自分が持っていて良いものか?」
「こんなにたくさんあっても、自宅に保管する場所はない」
「気に入った写真は保管していますし、父はちゃんと心に居ます」
そんな風におっしゃる方もいらっしゃいました。

今回は数々の方のお片付けで行った「写真やアルバムについての手離し方」をご紹介しますので、参考にされてはいかがでしょうか?


・写真は捨てるか捨てないか?どこまで引き継ぐか?

人形やぬいぐるみと同じように、写真を捨てられないという方がいらっしゃいます。
「燃やすのを想像するだけでも嫌だ」と聞く事もあります。

逆に、簡単に捨てられて「記念の1枚だけあればそれで良い」という方もいます。

本当にモノの持ち方やモノへの想いや手離し方は、人それぞれ違いますね。

自分が引き継いだとしても、その後に自分の子供たちに引き継がせるのは酷だと考えて、出来るだけ厳選した量に減らす方もいらっしゃいます。

写真であれ、モノであれ「捨てる」という行為自体に罪悪感や心の痛みを感じる方は少なくありません。自分が捨てられないからといって、捨てるという「痛み」を子世代に引き継がせる訳にはいかないと考えるのは、ある意味、毅然とした態度に思えます。

「モノ別」捨てられないモノの手離し方 ③写真やアルバム編


・写真は捨てずに、代々受け継ぐもの?

あるお片付けセミナーでの話、写真の整理をしてくれないご主人から「写真は捨てるモノじゃない、代々受け継ぐモノだ」と言われたという奥様がいらっしゃいました。さて、親世代の何十冊もあるアルバムを代々受け継いでいたら、子世代・孫世代はどうなっていくのでしょうか?今はデジタル化されているので場所をとる事はありませんが、祖父母の写真やアルバムが部屋の片隅に積み重なっている事を想像してしまいました。

携帯電話に保管してある写真が気になって、何年も昔の携帯を保管してある方もいました。デジタル化されていたとしても、それを引き継ぎ続けて、中を開いて見る日は来るのでしょうか?物理的な負担だけではなく、精神的にもモノを引き継いでいく事を、どう捉えるかは人それぞれ、その家庭によって違うのかも知れません。
それぞれの価値観ではありますが、記念に残すとしても何枚かあれば良いと考えるのは私だけでは無いようです。

・写真は捨てずに、代々受け継ぐもの?

・アルバムは作った本人が楽しむものと考える

これは私の持論になりますが、アルバムというのはアルバムを作ったご本人のもの、また家族で楽しむとしても、全てを引き継ぐ必要はないとお伝えしています。素敵に写っている写真を何枚か、家族で笑顔の写真が何枚か、引き継ぐとしても負担にならずに気持ちの拠り所になる程度を保管できる範囲で選んでみてはいかがでしょうか?

・ベストショットアルバムを作る方法

ベストショットアルバムを作ってみる方法もあります。年に一枚ずつ集めても80歳だと80枚になります。年代ごとの家族写真、旅行に行った際の何十枚もある一冊の中から、記念の一枚や集合写真を選ぶ事で、思い出を凝縮していく作業です。すぐに減らすのは難しいので、不要な写真を削り取っていくと考えてはどうでしょうか?

以前の片付けセミナーでお会いした男性は10年前に先立たれた奥様との写真を7年かけてベストショットアルバム3冊に凝縮させたと教えてくださいました。

写真の整理作業は思い出を振り替える作業になったのでしょう。

アルバムや写真もですが、モノを整理する事で心の整理に繋がるモノなのです。

・心の支えの、優しい気持ちになる写真を保管する

アルバムや写真を持っているけれど「あのアルバムをどうしようか?」と精神的にも物理的にも負担になっては困りますね。

「このアルバムが私の心の支えなの」そう思える写真を持っているのが一番ですね。

心の支えになる写真、たくさんの写真の中でも優しい素敵な笑顔の写真や、厳格な性格のよく現れた写真、などその人の特徴を示してくれる写真を保管しておく、という手もあります。

また、家族の繋がりを深く感じられる写真だけを残すという選択肢もあります。

・写真整理の専門家に頼む方法

最近は、写真整理の専門家の方がいらっしゃいます。デジタルデータ化する方法や、デジタルデータであれば良い写真をピックアップしてくれる方法もあるのだそうです。

専門家に頼んで何年もアルバム整理に時間をかけた方もいらっしゃいます。

アルバムや写真の整理は自分たちだけでは思い出話に花が咲いて整理が進まなかったり、重い大量のアルバムに手を焼いてしまう方もいらっしゃいますので、専門家に頼む事を一つの区切りにするのも良いかと思います。

そうやって整理できなかった写真やアルバムを整理し、捨てられないモノを無理に捨てようとする必要はなく、本当に大事なモノは自分の身近に置いて大切にしておくというのも、とても素敵な事ではないかと思うのです。

・大事な写真は保管する事、遺影にする写真を忘れずに。

専門家に頼むとしても、自分で整理するとしても、大事な写真が無くて困る事が無いように、また家族が見たい時に見る事が出来るように把握管理しておく事も大切ですね。

デジタルデータの写真であれば、家族一緒に見る事が出来るクラウド上に保管したり、写真保管用のUSBを管理するのも良いでしょう。
無限大に保管できてしまうデジタルデータですが、多ければ良いわけでもありません。終活を考えるようになったら、笑顔の遺影の写真も備えておきたいものですね。

・大事な写真は保管する事、遺影にする写真を忘れずに。

・デジタル遺品にしないために

所有者が亡くなってしまうと、パソコンの中にデジタル遺品が遺されます。
遺されたご遺族が、「パソコンの中の見たいデータが見られない」「ネットバンキングなどに資産があった」「SNSの管理ができない」等など、様々な問題がデジタル遺品として問題になります。
その中でも、写真については、「見てほしくない見られたくない写真がある」
場合と「家族にも引き継ぎたい共有の思い出の写真がある」場合があります。
もちろん、これは写真だけではありませんね。家族共有のアドレス帳の管理や、家計簿の管理、スケジュールの管理にも関係してくることでしょう。

こちらも日頃からの把握管理が重要になります。
まず、見て欲しいデータについては家族共有のクラウド上で管理したり、データを常にバックアップとして家族共有のUSBやCDに保管したりする事が必要になります。デスクトップ上に「大事な物」や「家族の写真」といったわかりやすいフォルダを作成し、それ以外はログインIDを別にするのも一つの手ですね。
逆に、絶対に見せたくないファイルは別保存をして、暗証番号付きのUSBに保管するなどの管理をしておく事も重要です。亡くなった後に大事な家族が、パソコンを開いて悲しんだり、困ったりする事のないように、「飛ぶ鳥跡を濁さず」にしておきたいものですね。

 

写真を始め、目に見えるモノも、パソコンの中に仕舞ってあるモノも、引き継ぐべきモノはきちんと引き継ぎ、処分するべきモノは処分しておく事を、どこかでケジメをつけて整理する事を心がけてはいかがでしょうか?
あなたはどのタイミングで整理しますか?


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